シュラック


特徴

 シュラック塗装は、インド、タイなどの南方に生息するラックカイガラ虫の殻を素材にして作られた、自然素材を原料にした樹脂系塗料です。このラック虫の殻は元をたどると木の樹液が主な成分になります。シュラックはこのラック虫の殻を精製した物です。

 シュラックの際立った素材的な特徴は、食品や医薬品、肌につける化粧品にまで使われる人体への影響の少なさです。天然系素材を用いた木部塗装にオイルフィニッシュがありますが、オイルは浸透性の仕上げであるのに対し、シュラックは木部の表面に塗面を形成する塗装方法で、オイルフィニッシュには無い耐候性の強さがあります。

 塗料の溶媒にはアルコールを使い、環境や健康上の観点から規制化が進むHAPS(大気汚染物質)やVOC(有機揮発物質)を一切使わない樹脂系塗料です。


写真はブロンズシュラック。琥珀色をしていますが、塗装すると透明色です。
(仕上がりはシュラックの精製度によって異なります)


当工房が使用するシュラック

 シュラックは精製の度合いに応じて、オレンジシュラック、ブロンズシュラック、ウルトラブロンズシュラック…と種類が分かれていますが、当工房では、脱脂済みのブロンズシュラックを使用しています。ブロンズシュラックはクリヤー(透明色)に仕上がります。

 当工房のシュラック仕上げはシュラック塗装後にサンドペーパーで磨き、表面に蜜蝋ワックスを塗ったつや消し塗装を主に使っています。


柔らかいパイン材の表面補強もかねて樹脂系のシュラックで仕上げています。
色合いは真っ白なパイン固有の木地色で仕上がっています。


取り扱いとお手入れの方法

 無垢の木部は、急激な温湿度の変化に弱く、あまりに急激な環境変化があると、木部にねじれやゆがみが発生してしまう場合があります。終日直射日光に当たる場所や、エアコン、ファンヒーターの吹き出し口の近くなどには物を置いておかないようにしましょう。

 シュラックはその特性上、アルコールに弱いです。シュラック仕上げされた塗装面にアルコールが付着すると、その部分のシュラックが溶けてしまう場合がありますので、取り扱いに注意して下さい。(しっかりと乾燥した塗装面は、アルコールに触れたらすぐ溶けてしまう〜ということはありませんが、長時間アルコールに触れるのはよくありませんので、すぐに拭き取るようにして下さい)

 ホコリや汚れが付いた場合には、から拭き、もしくはかたく絞った雑巾で表面を拭いて汚れを落とします。

 半年〜1年に1度、ワックスを塗ってメンテナンスをすると良いでしょう。日々の使用で、どうしても木部の耐水性、防汚性は劣化していきますが、こまめにメンテナンスをすることで、劣化した塗装強度の回復とツヤのある木部を回復させる事ができます。木部の表面がざらつくようなら400番以上のサンドペーパーで軽く磨き、木地表面をなめらかにならします(指先でさわってスベスベする程度)。表面の木の粉を吹き払った後、ホームセンターや家具店等で手に入る木部用ワックス(※)をすり込む様に塗り広げ、車のワックスがけ同様、表面をウェスで拭きあげて仕上げます。

※…以下に木部メンテナンス用ワックス・オイルの参考製品を紹介します
LIBOSグレイボ蜜蝋ワックス HOWARD Feed-N-Wax 
ちなみに当工房が使っているのはこちら→未晒し蜜蝋ワックス


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