ここでは、ギャラリー木わっ端で公開しているウッドアクセサリーの作り方を紹介します。
僕はもともとは、無垢の木を使った家具作りをしていた人間でした。ウッドアクセサリー作りは、家具作りで出た「端材」でもって、何か作れないかな… という思いから発生したモノ作りです。
ウッドアクセサリーは生来の小物好きも手伝って、時間を見つけてはコツコツと手作りしてきました。最近ではカービング的な木工表現にも影響を受て、自分なりの「作り方」というのもできてきました。
この、僕「特有」と言ってよいスタイルですが、この場を使って紹介したいと思います。
あまりにつたない技術で、汗顔の至りではありますが、どのような考えで、どんな風に作っているのかというコトも知ってもらえたらよいな…と思います。
1、木取り(きどり)
木取りとは、製材された板から、作品になる材料を取る作業の事です。家具なんかですと、丸太から板に挽いた荒材から材料を取りますが、僕の木取りは「端材木工」ですから、作りたいと思う形、大きさにあった端材に、イメージスケッチ、図面を頼りに「スミつけ」をします。
この後、スミ付けした材料を、スミ線(墨線)にそってカットしていくのですが、僕が作るモノは小さいです。、穴あけや、部分的な彫り込みを入れる作品は作業性を考え、カットする前にそれらの加工を済ませてしまいます。
これは、スミつけした材料に、必要な穴をあけて、部分的に彫り込み加工まで進めた段階の写真です。このように、大きい板の状態で加工をした方が作業性が良いのです。
僕が使う材料は、その時によってまちまちですが、1番多いのはミズナラというブナ科の広葉樹です。ミズナラは、その堅く重い材質から、広葉樹の家具材としては一般的な材料です。硬い材質は加工に手間がかかりますが、サンドペーパーで高番手に磨き上げると、きれいな光沢、ツヤを出す事ができる材料です(塗装の方法によって違いはあります)。
細かな部分の彫り込みは写真のようにホビールーターを使って作業しています。
細かな部分の彫り込みを終えたら、バンドソーを使って、スミ線のカタチに切り出し、木取りが完了です。
2、成形、仕上げ
切り出した材料を、さらに成形していきます。この作業は、手ノミなどの刃物、ホビールーター、ヤスリ、サンドペーパーを駆使して行います。
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写真のように、バンドソーで切り出したパーツを立体的に成形し、ふちの面を整えていきます。バンドソーでカットした切断面はギザギザに乱れていますから、その部分をなだらかにサンドペーパー等でととのえます。
ただ、バンドソーの跡も、サンディングで仕上げ、塗装すると「味わい」のある表現になります。このような事を考えながら、全体的なバランスを見てカタチを仕上げます。
全体を150番程度のサンドペーパーでカタチを整えた後、木地の表面に水を吸わせます(上の写真右側)。この作業は「水引き(みずひき)」といわれる工程で、木地に水を吸わせる事で、加工途中でできたキズや凹みを浮き上がらせる目的があります。
木地の表面が乾いたら、220番程度のサンドペーパーで木地調整をします。水引きをして、再度サンディングをすることで、塗装時にキズや凹みが浮き上がり、仕上がりムラが発生するのを防ぐ事ができます。特に、僕のモノ作りでは着色塗装をするので、仕上がりムラは消しておく必要があります。
これで、木地が完成しました。ふちのエッジは丸面か糸面を取って処理しています。カドが立っていると、指を切ったりする恐れがあります。紐を通す穴も、ふちは面取りしています。
3、塗装
水性ステインで着色します。アンティーク調な色合いになるブラウンカラーが僕の作風には合うようです。塗り残しに気付かないまま上塗りをしてしまうと修正が面倒になります。しっかりと確認しながら穴の中も塗っていきます。色ムラにならないようにウェスで余分な塗料をふき取ります。
ステインが乾いた後、油性ウレタンニスで上塗りをします。垂れたり、厚塗りにならないように、薄め薄めに塗り重ねて塗るほうがあとあと良い結果が出るようです。僕はスプレータイプを使っていますが、この方が作業性は良いように思います。塗り重ねの回数はケースバイケースですが、塗膜が形成され、ツヤが出てきたところで、僕はストップしています。回数にして3〜5回といったところ。
僕の作品は部分的に細く、強度的に弱い部分が所々にあります。ウレタン系の樹脂塗料は、ツヤのある光沢のある仕上がりを作ると共に、乾燥すると硬度が高い塗料ですから、作品の強度を補強するためでも、僕のデザインするウッドアクセサリーに適した塗料です。
4、最後に
僕が今作っているアクセサリーは、フリーハンドのカタチを基本的な造形にしています。全ての形に直線や対称というモノは無く、手加工によって作り出される有機的な曲線でカタチ作りがされています。
規格的なカタチ作りとは一線を隔した「ハンドクラフト」であるというのが、僕の作るウッドアクセサリーの大きな特徴です。
一つ一つに違う味わいを持つ。そんな作品素材に「木」はとても適していると僕は思うのです。
