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VOL.7(2008年3月26日)
オリジナルと特注品のモノ作り


 僕の工房では、オリジナルの木のおもちゃ作りと、オーダーメイドで作る家具やクラフトなどの特注品のモノ作りをしています。

 どちらが好きかと聞かれれば…そうですね…

 オリジナルのモノ作りをしている時は
 「あー! 特注品やりたい!!」
 って思いますし

 オーダーメイドの特注品を作っている時は
 「あー!作りなれたウチのオリジナル品作りたいー!!」
 って思っているんです…。
 いつも気持ちは無い物ねだり…

 特注品もオリジナル品も、どちらも木でモノを作る仕事に違いはありません。
 でも、作業をやっていると、どうしても今やっていないもう一方のモノ作りに気持ちが行ってしまうんです。同じ「木工」仕事なのになんでこうなっちゃうんでしょう?

 この理由はなんとなくわかっているんですが…
 この2つのモノ作りっていうのは、やっている事は同じモノ作りでも、仕事の質としては、全く「別」の要素のモノ作りになるからなんです。

 特注品の仕事の魅力は、なんと言ってもいつも「新しい」モノ作りっていうコト。

 特注品の仕事は小物でも家具でも分け隔てなく、いつも新しい発見があります。
 自分の発想だけで作るモノ作りと違って、オーダーメイドのモノ作りは、より「具体的」なお客様の「ご要望」をカタチにしていく作業です。

 時には自分の全く知らなかったモノを作ったり、用途、要望に応える為に、新しい技術や材料を使ってみたり。お客様との打ち合わせ、やりとりの中から、それまで全く思っても見なかったようなモノ作りの発想が生まれるのもよくある事です。

 これが、結果として定番品に生かされたり、新しいモノ作りのきっかけになったり。
 何より、普段一人親方で孤独にポツーンと作業している毎日ですから、純粋にお客様とコミュニケーションをとりながら進める仕事が楽しいんです。
 とまあ、いろいろと特注仕事にはそんな良さがあるんです。
 
 対して、オリジナルの定番品を作る楽しみとは何か?それは黙々と作業に没頭する楽しさ!

 オリジナル品は、定番モノとしてある程度の制作方法は固定されていますし、作業的にはこれまでも経験してきた事がほとんどですから、戸惑い無く作業が出来ます。
 そして、何より定番品はいつも一定数量を作る「数モノ」製作のために、黙々と作業に没頭することができるんです。

 単調な作業を続けることを苦痛に感じる人も結構いるみたいですが、僕は黙々と単純作業、繰り返し作業をするのは嫌いじゃありません。
 僕はあまり複雑に色々考えながら作業していると「わー!」って知恵熱沸騰して疲れちゃうような人間ですから。ただ機械の音が単調に響く中、頭ん中が空っぽになるくらい無心に黙々と作業するのって好きなんです。(誰だ?頭ん中はいつも空っぽだろって言ってるのは!)


 ただね

 上に挙げたのはどちらも作業の「良い面」のコトなんです。


 良い面があれば「悪い面」があるのもまたしかり。

 特注品の「悪い面」それは「新しいコト」ゆえの想定外トラブル!

 当初のプランどおり、淡々と作業が進めば良いんですが、新しい試みゆえ、何かしらのトラブルが起きたりすることもまた結構あるんです。
 この発生したトラブルも、積み重なっていって、モノ作りのスキルアップに繋がるワケですが、トラブル発生時は工程ロス、時間ロスで本当に嫌な物です。時に精神面がズタズタになる事もあります。

 それでは、オリジナル定番品の「悪い面」は何か?
 それは、やっぱり「飽きてくる」コト。

 黙々と集中しているのが最後まで続けば良いんですが、いかんせん、やはり飽きてくる時もあるんですよ。そして、もう一環して一人作業だからサビシー!



 というコトで
 そんな風に気が滅入ったりすると、とたんに、今やっていない特注品作りや定番品作りに気が移ってしまうワケ。


 木工を生業にする人には、オリジナル品作りだけという人。注文品だけを作るという人もいます。
 モノ作りの方針としては、それは結構まともなことだと思います。上で言ったよう、この2つのモノ作りは似ているようで、全然違う要素のモノ作りですから…

 でも、僕の場合は移り気なメンタル面も踏まえ、今は「どっちもアリ」なモノ作りをしています。
 「効率」や「技術」の蓄積をしていく「定番品」のモノ作りも大事ですし、いつも「新しい刺激」を得られる特注品のモノ作りも、作り手として成長していくのに大事なことです。
 
 こうして考えてみると…

 僕の作り手としての根っこの部分は
 「一人でいるのも好きだけど、それだけじゃあ寂しくなっちゃう寂しがり屋さん」
 って感じですね。(苦笑)
 このモノ作りの方針は、移り気な僕の性格をそのまま反映したモノです。
 コレはいつまた変わるかわからないですけど、まだしばらくはこのスタイルで続けていこうと思っています…♪
 
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