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VOL.5 2008年3月5日
求められる差別化(クオリティのお話)

 先日ブログの方でこんな話題を取り上げました。

 一見すると同じように見える製品でも、片やブランド物の高級品。片や100均、叩き売りの安物おもちゃ。
 消費者は一体何を基準に、どちらを選ぶんでしょうか?

  またまた引き合いに出して悪いな…と思うんですが、1番よく目にするのは木で作られた機関車や電車のレールセット。
 僕にはぶっちゃけブランド品と安物のクオリティの違いはよくわかりません。
 値段にすると5倍くらい違うのにね。

 安物に関してはこう思うわけですよ。
 『お!こいつは安いくせによくできてるな!!』って

 対して、ブランド品にはこう思うわけ。
 『値段のわりにはこんなモンなんか…』って
 (これは安価な類似品と引き比べてしまうから思うことですが…)


 実際に見た時、手にした時に目に見てわかるクオリティ(品質)の差があれば
 『やっぱ有名メーカーは違うな!ブランドは違うな!』って思うんでしょうが
 残念ながら、僕にはこの木製レールに関してはそれほどの差は伝わりませんでした。申し訳ありませんが。

 いろいろ情報を集めてみると、ブランド品からこの木製レールおもちゃのファンになった人達でも、特に違和感無く『安物』品を加えながらこの「木製レール」というおもちゃをコレクションしていっているみたいです。(安物もブランド品もレールや車両自体は汎用性があります)


 ここで思うんですよね。

 本来であれば、木製レールを消費者の中に認知させた功績はブランドメーカーにあったわけなのに。本来のお客さんを安売り店に取られちゃった…

 木製レールというのは、レールを延ばしたり、駅を作ったり、貨車を増やしていったりと、1回のめりこむと次の商品、次の商品とどんどん拡張的に商品が売れていく製品です。
 本来であれば、このブランドメーカーは消費者がどんどん買い足すレールや車両でかなりの商品が売れたと思うんですよ。
 でも、実際には拡張的に売れたのは100均商品だった。類似性の高い安売り品だったわけです。


 そして、この有名ブランドがお客を取られてしまった理由は何か?

 それは、消費者にとってわかりやすく商品の差別化ができなかったからだと思うんです。言い換えれば『クオリティの違いがよくわからないから』だと思うんです。


 僕たちのような、日本人で日本国内で生活しながら日本人の消費者にモノを作り売っていく。という商売はけっこう前からですがかなり『不利』なのが現状です。

 何故かと言えば、今は海外からの輸入品が激安で買えてしまう時代だから。
 輸入品と全く同じクオリティでモノ作りをしていたのでは、全く価格競争で太刀打ちができない。自然とメイドインジャパン、国内で作るモノ作りには高いクオリティが無いとそれら輸入品に太刀打ちができないからなんです。


 僕の工房のモノ作り、とりわけおもちゃ作りで他所製品ともっとも差別化をはかっている点。それが『安全性』です。

 もちろん、デザインだって良いモノ、グッドデザインを目指し心がけてはいますが、それは自分自身でどれだけ良いと言った所で外部評価されるまでは孤独な遠吠えにしかなりませんから。まずは見て、誰もがわかる『クオリティの違い』を出すために、僕の工房では他所ではまず見られないような手をかけてまで安全性、頑丈さにこだわっておもちゃ作りをしています。


 今の段階では、主要な輸入相手であるお隣さんでは使っている塗料に鉛が混じったり、餃子に農薬が混じったりと不安な供給体制を露出してくれていますから、ウチの『こだわりの安全性』、『メイドインジャパンのクオリティ』というアドバンテージを生かす事ができています…が

 将来的には、もっとまた違った差別化、クオリティのアドバンテージを付けないと苦しくなってくるでしょうね…
 目指すべきところは、やはりブランド…ネームバリューになってくるのだと思います。
 僕の工房は今は『最高にクオリティの良いモノ、安全なおもちゃなら木のモノ作り工房だ』って言われるような「信頼」を作る段階だと思っています。

 といいますか…

 そういうモノ作りをしていかないと、ウチみたいな零細工房は生き残る事ができないだろうな…といつも追い詰められた気持ちを持ってモノ作りをしています。そのために、他には無いモノ作り、ウチならではの『クオリティ』にこだわったモノ作りを進めています。


 …ちなみに、これは僕の目指す方向性とは違いますが。

 某有名な服飾デザインブランドが赤ちゃん向けのラトルを作っているそうです。
 その製品はシルバー製で、ちょっと赤ちゃんに持たせるにはどうかな…ってデザインなんですが、何よりの特徴(欠点?)は、シルバーのとがった部分で遊んでいる赤ちゃんがケガをする恐れが前々から高い物だとわかっているトコなんです。

 販売店でも、接客時に
 「コレはここの部分で引っかける事があって…ケガの恐れがありますが…」
 と、説明をしてくれるそうですが、コレがかなり売れてるそうです。
 そんな欠点何のその、「コレをくれぇ!コレをかうんじゃあ!」という確固たる意思でそのシルバーラトルを買っていくそうです。

 あらかじめちゃんと説明もしているし、コレでケガが起きようがクレームにはならないんでしょう。むしろ、これをもっているユーザーはそのブランドの物を使っている事でとても高い満足度を得ているんでしょうね…

 こんなラトルを与えられる赤ちゃんが幸せか不幸かはさておきまして、ブランドっていうのはすごいな…と思います。本当に。
  
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