赤ちゃんのためのおもちゃである「ラトル」
「ラトル」というと、あんまりピンと来ないかも知れませんので、「ガラガラ」とここでは言いましょうか。
あなたは、「赤ちゃんが持っているガラガラ」というとどんな音を想像しますか?
「ガラン ガラン」
と鳴るような大きな鈴が入ったガラガラ
「ジャッ ジャッ ジャッ」
と鳴るようなマラカスのようなガラガラ
こんな感じに、ガラガラ=音の鳴る楽器
ガラガラ=大きな音のするおもちゃ というイメージでは無いでしょうか?
と思うのも、僕の工房で作っているラトルを手にするお客様から聞くご意見に
「こちらのラトルは、他の物みたいに『大きな音』がしないんですね」
という事がたびたびあるからです。
なるほど…
ちなみに、僕の工房の『音』にこだわりを持って作っているラトル
特に「ラトルのジョーイ」や「ムーンラトル(まんげつ)」の設計をする時にはかなり『音』の部分に注意をはらって作りました。
ただ、この『音』の部分のこだわりは、イコール『音の大きさ』という意味では無いんです。
僕がラトル作りの時にこだわる『音』
それは、そのラトルがどれだけ『やさしい音』を奏でるか という点なんです。
べつにどれだけ『でかい音が鳴るか』は問題視していなくて
どちらかと言うと、『小さな音』だけど『心地よい音』
めいいっぱい振り回しても、『うるさく感じない音』
そんな感じに、音の大きさについては「おさえる」方向で設計しているんです。
もちろん、『音』が鳴るように設計するのですが、音は「おさえめ」で設計しているんです。
さて?これは何故でしょうか?
この点についてはですね…お店で他の類似品と並べた時にはけっこう不利に働いてしまうので悔しい所ではあるんですが…
2つの似たようなラトルが並んでお店に置かれていたとします。
1つは大きな派手な音。もう1つは小さな素朴な音。
あなたならどちらを選びますか?
きっと大きな派手な音が鳴るラトルを選びません?
そうですよね…それが普通だと思うんです…見ばえ(聴こえばえ?)がしますもんね…
ではなぜ?それなのに僕が作るラトルは音が大きくならないよう控えめの音量に設計しているのか?
それは、ちゃんとした理由があるんです。
それはラトルを与える時期の赤ちゃんというのがとても『音』に対して『敏感』だからです。
ラトルで遊ぶ、ラトルであやしてあげる時期の生後1〜2ヶ月ごろの赤ちゃんというのは、まだ視力は発達していないのですが、耳から入る情報、すなわち『音』に対してはとても『敏感』なんです。
この時期の赤ちゃんに大きな音の鳴るガラガラを渡したり、顔の横で鳴らしてあげるとどうなるか…そう!びっくりして泣いちゃうんです!!
大人でもそうじゃないでしょうか?
目隠しされた状態で、不意になんだかわからない『大きな音』が鳴ったら?
戸惑うでしょう?びっくりするでしょう?
鳴らす側は音のするタイミングやどんな音がするか?あらかじめわかっています。
でも、目のよく見えない赤ちゃん、どんな音がするかわからない赤ちゃんにとって大きな音のなるガラガラの音は『不意に鳴る、なんだかわからない不安な音』になっちゃう事があるんです。
ただでさえ、音に敏感な時期、外から入ってくる情報を音に頼っている時期の赤ちゃんには大人には何てこと無い音も、こちらが思っている以上に大きな音に感じているのかもしれません。
そんなわけで…
僕はラトルにはけたたましい音は不要だと思うのです。
どちらかといえば
「あ…!いまなんか音が鳴ったぞ!」
というような、赤ちゃんにとっては『気付き』のきっかけになる程度の音がラトルにはちょうど良いのだと思っています。
赤ちゃんにとっては、ラトルは音の鳴るおもちゃでもありますが、手で触ったりかじったり、振り回してみたり、いろんな遊び方をするおもちゃです。
そんな遊びの中で「あ…!いまなんか音が鳴ったぞ!」という気付きに繋がれば良いと思います。
音の鳴ることに気づいたとき、音の鳴らす楽しさや、どうやってそれを動かせば楽しい音が鳴るのか。そういった「次」の段階へ成長していくと思うからです。
確かに、大きな音のなるガラガラは「音を出す楽しさ」に目覚めた赤ちゃんにとってはとても楽しいおもちゃになります。
きっと、近くにいる大人には「もう!うるさいからやめて!!わかったからやめて!!」っていうくらい楽しそうにいつまでも「ガランガラン♪」と振り続けるでしょう。
僕の工房で作っているラトルを手にするお客様から聞くご意見に
「こちらのラトルは、他の物みたいに『大きな音』がしないんですね」
という事がたびたびあります。
そして、こう言ってくれます。
「他のガラガラみたいに『うるさくない』からいいわ」って。
大人の都合としても、あまり大きい音がよくない場合もあるわけですね。
だからやはり僕はラトルにけたたましい音は不要だと思うのです。
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